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統計データ 水温評価図


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統計データ 水温評価図
 
 
水温評価図


 海の水温は人間で言えば体温のようなもので、水温を測ることによって海の健康状態が正常か異常かを判断するひとつの手立てがえられます。ただやっかいなことに、海の「平熱」と言っても海域によってその温度は違いますし、季節によっても「平熱」のレベルが大きく変化します。では、どうやって海の健康状態を診断できるのでしょうか?
 結局のところ、平熱や異常な熱を判断できるようにするには時々刻々と変化する水温を長年にわたって測り続けるしか良い方法はありません。しかし、海でこうした観測を長年にわたって続けることは容易なことではありません。水温などどこでも正確に、しかも連続して測定されていると思われるかも知れませんが、良質な水温データが長年にわたって蓄積されている例はきわめて少ないのです。別の言い方をするなら、水温データを取っても、それで海の状態が正常か異常かを正しく判断できる海域はほとんど無いのです。

 平塚沖総合実験タワーでは1983年以来30年近くにわたって毎正時の水温データを蓄積してきています。この貴重なデータを使って平塚沖の海の健康状態を評価できるようにしてみたいと思います。

 まず、1日24回の水温観測データを平均して日平均水温を求めます。この操作によって短時間内の水温変化の影響を消します。次に、1月1日から12月31日まで、365日分、1日ごとに毎年の日平均水温を集め、日平均水温のグループを作ります。このグループ内の平均水温を高い方から順番に並べ、上位33.3%の水温を「高い」、中位33.3%を「平年並み」、下位33.3%を「低い」と評価します。上位10%に入る水温は「かなり高い」、最下位10%の水温に対しては「かなり低い」と評価できます。何しろ10年に1度起こるかどうかと言ったレベルの現象ですから。この区分けを図にして示すと図1のようになります。この評価方法は気象庁が気温などの評価をする場合に用いているものと同じです。

図1 「長期にわたる観測値から日平均水温を評価する仕組み」


 平塚沖総合実験タワーのデータを用いてでき上がった水温評価図が冒頭の図です。平年並みを示す緑色の帯域は他の帯域に比べ幅が狭く、多くの年の水温がここに集中して出現することを意味しています。黒の実線は昨日までの過去6ヶ月間の日平均水温を示しています。通常、黒線(観測値)は色の付いた範囲内に収まっているはずです。もし、黒線が色付きの部分を上か下に突き抜けているなら、過去30年ほどの間では観測されたことの無い「異常事態」と判定できます。

 黒線の動きから、わずか1週間か10日の間に「かなり低い」水温状態から一気に「かなり高い」水温に変化する(あるいはその反対の)状況が見られることでしょう。平塚沖の海は実は変化に富んだ海だと言うことが分かるはずです。黒実線の変化の様子から今後海がどのように変化してゆくかを予測するのにも役立つことでしょう。
 良質なデータを積み重ねて行くことの重要性を改めて知らされます。

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