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波候図

 波候図(はこうず)とはあまり聞きなれない言葉ですが、波が来る方向ごとに波の高さを階級分けして示した図のことです。風の風配図と同じ考え方によるものです。

 波候(Wave Climate)とは気候に対応する言葉で、ある海域での長期にわたっての平均的な波の状態を言います。上図は1988年から2007年の約10年間、平塚沖総合実験タワーで観測されたデータに基づいて作られた波候図です。
 波高が10cm以下の場合は波の無い静穏状態であるとして取り扱い、円グラフの中心部にその発生率が記されています。波向きは16方位に分割され、波高も階級分けがなされ、色分け表示されています。円グラフの右側にある棒グラフは、波の向きを考えずに、波高だけの発生比率を示したものです。

 年間の波の変化状況を見比べられるように12か月分の小さな波候図が示されていますが、特定の月の波候図をクリックすると大きく見やすい図に拡大されます。右下にある「当年外当月と比較」のボタンを押すと統計データの下に当年該当月の風配図も拡大して示されます(2007年9月以降は観測が出来ていません)。

 相模湾は南にだけ開いた湾ですので、やってくる波の方向は南東から南西にかけての範囲に限られてしまいます。もちろん東、北、西からの風によって作られる波もありますが、これらは風からエネルギーをもらう距離が限られているため、大きな波にはなれないのです。

 平塚を始め湘南海岸は比較的波が穏やかな状態にあります。それは沖合にある伊豆大島が大きな堤防の役を果たしているからです。湘南海岸に大波がくるとしたなら、外洋に海が開いている南南東からの可能性が高いことになります。南からわずかに西の方向からも大きな波が入ってくる可能性はあります。しかし、こちらの場合は新島や神津島などが防波堤の役をするため、あまり大きな波にはならないでしょう。観測結果に基づいた波候図はこうした考えをよく反映したものとなっています。

 波高や波向きを観測するのは簡単そうでいて実は大変難しいことなのです。現実の海の波はいろいろな波高や周期、波向きを持った波が多数集まって形成されているからです。一般の波は4秒から10秒程度の周期を持っていますが、満潮や干潮を引き起こす潮汐も立派な波で12時間から25時間と言う長い周期を持っています。平塚沖総合実験タワーでは超音波を使って0.3秒ごとに海面の高さを測り続けています。波の向きを求めるために、こうした観測を正三角形に配置された3箇所で行っています。波向きは直接測定されたものではなく、3点の波高データから算出されるものです。

 いろいろな波が存在するにもかかわらず、天気予報などでは波高何メートルといった特定の波高を言います。この波高は次のようにして決められています。ある一定時間内(平塚沖総合実験タワーの場合、20分間)に多数の波の高さを観測して、その波高を大きいほうから順番に並べなおし、高い方から1/3番目までの波の高さを平均したものを「波高」と呼ぶのです。この特定の波のことを「有義波(高)(ゆうぎは(こう)、 Significant Wave (Height)」とか「3分の1最大波」と呼ぶこともあります。天気予報で使われる波高はこうして決められたもので、世界で共通して用いられている考え方です。なぜこのような波高を用いるのかですが、この波高は人が実感する波高と良く一致するからだといわれています。周期も同じようにして決められています。

 日本でも古くから波の特性に関して「三大八小(さんだいはっしょう)」と言う伝承があって、波は決して一様ではなく、3つの大きな波と8つの小さな波が繰り返されることを言っています。「三大」の波を平均した波高は1/3最大波と相通じるものとなります。
(残念なことに、2007年9月の台風で3台のうちの2台の測器が波で破壊され、現在は波向き計算ができない状態となっています)

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